○福岡県後期高齢者医療広域連合第4次広域計画

令和6年2月

1 広域計画の趣旨

福岡県後期高齢者医療広域連合広域計画(以下「広域計画」という。)は、地方自治法第291条の7及び福岡県後期高齢者医療広域連合規約第5条の規定に基づき作成するもので、福岡県後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)及び福岡県内のすべての市町村(以下「市町村」という。)が、相互にその役割を担い、連携を図りながら、後期高齢者医療制度(以下「制度」という。)を総合的かつ計画的に運営していくための基本的な指針となるものです。

この第4次広域計画は、第3次広域計画作成後の状況の変化を踏まえ、改めて取り組むべき課題を明らかにするとともに、それらの課題等に対応するための基本的な方針及び必要な施策等について定めるものです。

2 現状と課題

(1) 現状

制度発足後も高齢化は着実に進展し、被保険者数は、いわゆる団塊の世代(昭和22年から昭和24年生まれ)等の加入により令和7年度まで急増後、当面緩やかな増加となり、その後も年度によって増減はあるものの長期的に増加傾向が続くものと考えられます。

福岡県の後期高齢者一人当たり医療費は、全国で最も高い水準にあります。令和2年度から令和4年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診控え等で拡大前より下回ったものの、医療の高度化などに伴い、今後も一定の伸びが見込まれます。

そのため、団塊の世代の加入等による被保険者数の大幅な増と相俟って、総医療費は増加の一途を辿るものと予想されます。

保険料についても、一人当たり医療費が高いことから、増加抑制のための措置を講じてきたものの、全国的に高い水準にあります。医療給付のうち保険料として負担する割合である後期高齢者負担率は、これまで現役世代の減少に伴い上昇が続いてきました。令和6年度からは、現役世代の負担増を抑制するため伸びが大きくなるなどの制度改正が行われるため、更に保険料の上昇が見込まれます。

一方、保険料の収納率は、制度開始以降年度によって増減はあるものの上昇傾向ですが、全国的には低い水準で推移しています。

(2) 課題

このような状況において、制度を円滑かつ安定的に運営していくためには、引き続き健全な財政運営に努めるとともに、医療費適正化や被保険者の健康づくりなど、医療費増加の抑制を図るための取組を一層推進していくことが求められます。

また、医療給付と保険料負担の均衡を図りながら保険料の急激な増加の抑制に努めることや、保険料収納率の向上を図ることも重要となります。

3 基本的な方針(施策の方向性)

このような現状と課題を踏まえ、広域連合は市町村をはじめとする関係機関との緊密な連携・協力により、以下に掲げる施策の推進に取り組むものとします。

これら施策の推進に当たっては、制度運営に係る事務事業全般の執行を含め、関係法令を順守し適正な執行に努めます。

(1) 健全な財政運営

被保険者数や医療費の動向を適切に見込み、運営安定化基金の活用などにより被保険者の負担にも配慮しながら保険料を定めるとともに、納付困難者の事情に応じた納付相談や滞納整理の適正な執行、口座振替の推進など保険料収納率の向上に努めます。

また、費用対効果など事務事業の効果性・効率性を踏まえて予算を編成し、適正な執行に努めます。

(2) 医療費の適正化

医療費適正化へ向けた事業を効果的に展開していくために、レセプト点検の充実、第三者行為求償の強化及び後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進などに引き続き取り組むとともに、被保険者及び関係機関への医療費に関する情報提供に努めます。

(3) 健康づくりの推進

高齢者の健康増進は、医療費の適正化のみならず被保険者の安心の礎となるものです。被保険者ができる限り長く自立した日常生活を送ることができるようデータヘルス計画に基づき、生活習慣病の発症及び重症化の抑制やフレイル予防の取組等の保健事業を効果的・効率的に推進します。

主な取組として、健康診査・歯科健診及びその後のフォローアップ事業を推進するとともに、重複・多剤服薬の状態に陥りやすい高齢者の特性を踏まえ、適正服薬対策の充実を図ります。

(4) 広報・広聴活動の充実

被保険者や住民の制度理解を深めるため、広域連合の各種パンフレットや通知、ホームページ及び市町村の広報媒体などを活用し、分かりやすい制度等の周知に努めます。

また、身近な市町村窓口によるきめ細やかな相談対応に加え、広域連合にお問い合わせセンター(コールセンター)を設置し、電話問い合わせの的確な対応に努めるとともに、寄せられた意見、要望は今後の事務改善に活用していきます。

(5) 個人情報の適正管理

保有する個人情報や死者に係る情報をはじめとする情報資産について、個人情報の保護に関する法律など関係法令にのっとった適正な保護にあたっては、漏えい等による影響の重大性を踏まえ、安全な取扱いを定めた個人情報管理規程及び情報セキュリティポリシー等に基づき厳格に管理します。

4 広域連合と市町村の事務分担

広域連合と市町村は、適切かつ効率的な制度運営を目指し、連携・協力して取り組むものとし、その具体的な事務内容については、法令の定めに従い、以下に掲げる項目により分担するものとします。

(1) 被保険者の資格管理に関する事務

広域連合は、被保険者台帳による被保険者情報の管理、被保険者資格の認定(取得及び喪失の確認)、被保険者証の交付などを行います。

市町村は、被保険者からの資格の取得、喪失、異動などの受付、被保険者証の引渡しや返還の受付などを行います。

(2) 医療給付に関する事務

広域連合は、入院や外来など現物給付される診療費の審査及び支払、療養費、高額療養費、葬祭費等の支給要件に関する審査及び支払などを行います。

市町村は、医療給付に関する申請や届出の受付などを行います。

(3) 保険料の賦課及び徴収に関する事務

広域連合は、市町村から提供される所得情報等をもとに、保険料の賦課、決定(軽減判定及び減免決定も含む。)を行うとともに、収納率向上対策のための実施計画を策定します。

市町村は、保険料の徴収事務(収納対策を含む。)を行います。また、納付相談、保険料の徴収猶予及び減免の申請の受付を行います。

(4) 保健事業に関する事務

広域連合及び市町村は、データヘルス計画に基づき、保健事業を推進します。

また、高齢者の保健事業と介護予防との一体的な実施に係る事業(以下、「一体的実施事業」という。)を効果的・効率的に推進します。

広域連合は市町村へ一体的実施事業を委託するとともに、必要な情報の提供や調整、財源の確保等に取り組み、市町村の支援に努めます。

市町村は一体的実施事業に係る事業内容や推進体制等の基本的な方針を定め、被保険者の状況に応じたきめ細かな保健事業を実施します。

(5) その他制度の施行に関する事務

制度を円滑に運営するうえで、制度に対する被保険者及び住民の理解と協力が不可欠であることから、広域連合及び市町村が連携・協力しながら、効果的に広報・広聴活動を行うとともに、被保険者等からの相談などに適切に対応します。

5 計画の期間及び改定等

この広域計画の期間は、データヘルス計画との整合を図り、令和6年度から令和11年度までの6年間とします。

ただし、広域連合長が必要と認めるときは、随時改定を行うものとします。

福岡県後期高齢者医療広域連合第4次広域計画

令和6年2月 年番号なし

(令和6年2月1日施行)

体系情報
第1編
沿革情報
令和6年2月 年番号なし