○福岡県後期高齢者医療広域連合債権管理条例

令和2年2月14日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、福岡県後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)が有する債権の徴収等に関し、必要な事項について定めることにより、債権管理の一層の適正化を図り、もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 広域連合の債権 金銭の給付を目的とする広域連合の権利をいう。

(2) 強制徴収債権 広域連合の債権のうち、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の3第3項の規定により地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。

(3) 非強制徴収債権 広域連合の債権のうち、強制徴収債権以外のものをいう。

(他の法令等との関係)

第3条 広域連合の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくはこれに基づく規則に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(広域連合長の責務)

第4条 広域連合長は、法令又は条例若しくは規則の定めるところにより、広域連合の債権を適正に管理しなければならない。

(台帳の整備)

第5条 広域連合長は、広域連合の債権を適正に管理するため、規則で定める事項を記載した台帳(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)を整備しなければならない。

(督促)

第6条 広域連合長は、広域連合の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

(強制執行等)

第7条 広域連合長は、非強制徴収債権について、前条の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第10条の措置をとる場合又は第11条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(2) 前号に該当しない債権については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第8条 広域連合長は、広域連合の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第11条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第9条 広域連合長は、広域連合の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により広域連合が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、広域連合長は、広域連合の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、仮差押え又は仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第10条 広域連合長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第11条 広域連合長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

2 広域連合長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る債権は、徴収すべきものとする。

(免除)

第12条 広域連合長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の免除をする場合については、議会の議決は、これを要しない。

(債権の放棄)

第13条 広域連合長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等(以下この条において「当該債権等」という。)を放棄することができる。

(1) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項その他の法令の規定により債務者が当該債権等につきその責任を免れたとき。

(2) 債務者が死亡し、その相続について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄をした場合、相続人が存在しない場合又は相続人の存在が明らかでない場合において、その相続財産の価額が、強制執行をした場合の費用及び当該債権に優先して弁済を受ける権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

(3) 第7条の規定による強制執行等又は第9条の規定による債権の申出等の措置をとってもなお完全に履行されなかった場合において、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、弁済される見込みがないと認められるとき。

(4) 当該債権等について第10条の規定による徴収停止の措置をとった場合において、当該措置をとった日から相当の期間を経過した後においてもなお履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。

(5) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受けているとき、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難であると認められる場合において、弁済される見込みがないと認められるとき。

(6) 当該債権等(消滅時効について時効の援用を要するものに限る。)について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき(債務者が時効を援用しない特別な理由があるときを除く。)

(7) 債務者が失踪、行方不明の宣告を受け、又はこれらに準ずる事情にあり、当該債権等について弁済する見込みがないと認められるとき。

2 広域連合長は、前項の規定により非強制徴収債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

福岡県後期高齢者医療広域連合債権管理条例

令和2年2月14日 条例第5号

(令和2年4月1日施行)